私は以前の会社で、教育や指導を担当していました。受講側は若いと10代から上は60代まで、幅広い層の方が参加していました。
指導を担当するものとして数多くの人の成長をサポートしてきたところ、成長する人にはある共通点があることが見えてきました。
その共通点とは、成長する人は『自ら考える力』を持っているということです。
この共通点に、年齢は関係ありません。若い方でも年配の方でも、成長する人には共通して同じことが言えます。
今回は、成長する人に当てはまる『自ら考える力』をテーマに話を進めていきます。
この記事で、指導する立場の人ならば指導方法を考える機会に、または自分自身を見つめ直す機会として頂ければ幸いです。
では、まいります。
成長する人の共通点『自ら考える力』
数多くの人を指導していると、その人達の性格から仕草まで、細かく見えてきます。
例えば、『来週はこの件の教育をするから、資料読んで勉強しておいて』と受講者に伝える場面があります。
それから、教育する日までに何を準備してくるか、人によって大きく違いが出ます。だいたい以下の3パターンに分類できます。
- ただ資料を読んでくるだけの人
- 疑問点を事前に解決しようと調べて知識を深めてくる人
- 資料すら全く見てこない人
この先成長する人は、言うまでもなく2番目の人なのですが、ここに成長する人の共通点が隠されています。それが、自ら考える力なのです。
自ら考える力がある人の仕事の仕方
成長する人は、自ら考える力を持っていると言いました。では、具体的に自ら考える力がある人(以下、Aさん)は、どんな仕事の仕方をしているのでしょうか。
Aさんは、人事異動でこれまで経験のない仕事をする部署に配属になりました。先輩について、OJTでトレーニングを受けています。
まずは日々のルーティンの仕事を学んでいます。そこで、『◯◯しておいて。』と、先輩から指示を受けたとします。
そのとき、何も考えていない人は、単に言われたことをそのままやっています。めんどくさいなぁと思いながらも、先輩に言われたのでやるしかないですよね。
でも、Aさんは違います。同じ状況に置かれたとき、Aさんは先輩にこう質問します。
『これ、もっと楽な方法があるのに、なぜこのやり方なんですか?』
先輩は、こう答えました。
『過去にこのやり方でやっていて、ミスった経験があるんだ。だから、その失敗を繰り返さないためにあえてこのやり方をしているんだ。』
そこで、Aさんは納得します。『過去の失敗を教訓にこのやり方で仕事をしているのか。』と。
この質問をしたことで、Aさんは、その仕事ができた背景を知ることができたのです。
全ての仕事を疑うことで成長する
自ら考える力のある人は、決められた仕事の背景まで理解するようになります。さらに、一度このような経験をすると、ほかのあらゆる仕事についても、その仕事ができた背景を学ぼうと努力します。
当たり前のような仕事でも、『なぜ?どうして?』を繰り返し問うことで、仕事に対する知識が深まるのです。
これは、若い人に限った話ではありません。
年配の方は、これまで長年働いてきたプライドがあるせいか、なかなか積極的に質問したり、知識を深めようとはしません。でも、そんなプライドなんて持たずに、気になったことを細かく質問する方は、例外なく成長していました。
普段、全く意識せずにやっていたことが、実は過去の失敗をもとに作られたものかもしれません。
逆に、その仕事は単に惰性で続けられていただけのものかもしれません。そのときは、疑問を投げかけることで、仕事を改善できるチャンスにもなります。
このように、まずは全ての仕事のやり方を疑うことが、自らの知識を深めることに繋がります。場合によっては、仕事を効率よくこなすための改善策にも繋がるのです。
自ら考える力を養う方法
Aさんのように、新しい部署に配属されたとき、または新しい会社に入社したばかりの頃は、自らを成長させるチャンスです。
同じ仕事を長く続けていると、惰性で仕事をこなしてしまって、このような視点を持つことが難しくなります。
私は、指導担当として多くの人の成長をサポートしてきた中で、Aさんのような人を稀に見かけます。Aさんのような人は、最初は周りの人とスタートラインが同じだとしても、間違いなくほかの人よりも抜きん出てきます。
皆さんの周りにも、Aさんのような人がいるのではないでしょうか?そして、そのような人は、しっかり成長しているのではないでしょうか?
当たり前だと思うことを、『なぜそうなるのだろうか?』と問うことで、知識を深められる。
その深めた知識は無駄にはなりません。『あ、これはあの仕事と繋がっているのか!』と、ふとしたところで知識の点と点が繋がるのです。
その相乗効果で、どんどん知識が増えていきます。気づくと、誰も到達できない高みに登ることができるのです。
常に、疑問を持って仕事をする。これこそが、自ら考える力を養う方法なのです。
まとめ
- 成功する人の共通点は『自ら考える力』
- 全ての仕事を疑うことで成長する
- 常に疑問を持って仕事をすることが、自ら考える力を養う方法
今回紹介した内容は、どんなことにも当てはまります。
仕事でも趣味でも、何をするにも疑問を持って取り組むことが成長するための共通点なのです。
何でも疑問を持って取り組む。これは、自分自身にも言い聞かせていることです。
単に惰性で仕事をするのではなく、どんなことにも疑問を持って取り組む。すると、知識が深まるだけでなく、仕事も楽しくなってきます。どうして?なぜ?と問い続けることが、仕事のスキルを上げて自らを成長させる唯一の方法です。
皆さんも、日々やっている仕事を疑ってみましょう。それこそ、成長するための第一歩なのです。
以上が、『成長する人としない人の違い。自ら考える力こそが成長する人の共通点。』でした!